轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
九
坂東武者上がりの熊谷蓮生房は、なんのためらいもなく、信の座へ着いたが、人々は、
(あれは神経のあらい人だ。先に釈の信空と、聖覚法印が信の座へ着いたので、それで、自分も追従したに過ぎない)こう見ているのであろう、むしろ彼の態度を、軽蔑するように、じろじろ眺めて、そして自分たちの態度は、なお決しかねているのだった。
執筆役の善信は、机のうえに紙をのべ、筆を握って、
(これだけの門徒のうち、どれほどの数の者が、真の信仰をもっているか)――を、じっと、恐いような気持と、真摯な興味をもって、眸をすまして、その実証が数に出るのを待っていた。
――だが、誰も咳声もしなかった。無音から無音へ、ときが過ぎてゆく。
「? ……」寂としたきりである。――と、善信の手にある筆が、さらさらと紙の上に微かに走った。
信の座
彼は、自分の名を、その下へ署名したのである。すると、やや間をおいて、
「わしも、信不退の座につらなり申そう。善信、法然房の名を信の座に書かれい」
上人の声であった。
数百名の門徒たちは、はっと思ったように顔いろを革めた。しかしもう遅い気がして、
「わしも、そう思ったのじゃが……」