轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
……うれしいか、うれしいかや」何度もくりかえして、もう、涙をぬらしているのだった。生信房も、横を向いて、拳でそっと眼をこすった。
二
――生きて在わした。――ご無事で。と玉日もそう思い、生信房もそう思うほど、奇蹟の心地がするのであったが、やがて、草庵の一室へ通った善信は、
「さびしかったであろ」と、妻をいたわって、自分の身のことなどは、なんのこともなかったような容子に見える。
――生きている! いかにも久しぶりにわが家へ戻ってきた善信は生きている人のすがただった。相かわらず、はちきれるような健康を持ち、皮膚はすこし焦けて浅黒く、何か、山が崩れてきても動じないよう、いつも濃い眉がよけいに強い意思の象に見えて、悠揚として寛いでいるのだった。
「さだめし、都のうわさ、吉水御一門の凶事、お汝らも、聞いたであろうが」とやがていう。
それも、若い妻の実社会のどんなものかを多く知らない胸に、唐突な驚きをさせまいと気づかうように、静かなことばで――
玉日は、生れてまだ二歳の房丸を、胸に抱いていた。
「はい、存じあげておりました」
「かねて、上人にも、期しておられたことだ。