轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
白い髪が、綿のように伸び、顎にも、伸びた髯が光ってみえる。それへ、梨子地の烏帽子をかむり、領送使のすすめる輿のうえに身をまかせた。輿へ移る前、
「月輪どの」と、法然は、自分を取り囲んで今朝を見送る人々のうちに、老公のすがたを探していた。
三
「ここに――」と、月輪の老公は、混みあう人々の間から、上人の前へすすんで出た。
「おお」と、さすがに法然もその人のすがたを見ると、名残が惜しまれて、しばらく、老眼にうるみをたたえ、
「おわかれが参った」と、いった。
「…………」老公は、無言だった。いわぬはいうにまさる悲しみだった。
「永い間、月輪どのには、陰に陽に、念仏門のために、一方ならぬお力を貸して賜われた。偏に仏陀と衆生のためとは申せ、浅からぬご法縁、たとえ法然、遠国に朽ち果てようとも、ご高誼のほどは忘れませぬぞ」と、法然は、老公の手をとっていった。――そしてまた、
「善信が出立も、卯の刻の由に承る。もう時刻もやがてに迫っておろう。くれぐれも、身をいとうように仰せ伝え賜われ。――同時に、法然が身には、仏の御加護あれば、必ず、案じるに及ばぬことをも」
「承りました」
「では」