轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「いや、この真如の月と、この雪明りとに向えば、盲心も、眼をひらく心地がする」
「夕のお斎をさしあげましょうか」
「そうそう、忘れていた、わしはまだ夕餉をいただいていなかったの。――生信房や教順はもう托鉢からもどられたかの?」
四
「教順どのと、生信房どのは、今し方もどられましたが、まだ、西仏房どのが、帰られませぬ」と石念が答えた。
西仏房というのは、太夫房覚明が、都を離れる時に改めた名で、そのむかし木曾殿の猛将として三軍を叱咤した彼も、今では、まったく善信の法相をうけて、この配所では、誰よりも彼が高弟であると共に、またいつも同室の者たちを賑わしていた。
「道理で――」善信はうなずいて、
「静かな宵じゃと思うたら、まだ西仏がもどらぬせいよの」
「こよいは、お師さまへ、栗粥をあげたいといって、山へ入ってゆきましたが、あの気軽な御房のことゆえ、先刻のこぼれ雪に遭って、また炭焼き小屋へでも入って、話しこんでしもうたのでございましょう」
「そうかも知れぬ」配所にいても、少しも配所にいるらしい拘束もうけなければ、不平も感じていない西仏の生活ぶりを、善信は心のうちで、
(さすがに)と、微笑まれていた。