轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页

青空文庫

「へへへへ。……存じ上げておりますよ。吉次は、以前からずっと、九条院にも伺って、何かとお出入りを仰せつかっとりましたからね」

「九条の女院」

「へい」

「なんの謎じゃろ?」

「おとぼけ遊ばす事がお上手でいらっしゃいますな。……こちらの奥方様のはなしですよ。世間はもうけろりと忘れておりますが、吉次はお目にかかるたび思い出すんでございます。――九条院にお仕えになっていた頃のお姿を」

「奥のゆかりのことか」

「ゆかり様。――それはご当家に再縁あそばしてからの更名でございましょう。以前はたしか常磐様」

「…………」

「――で、ございましたろ」

吉次が、頭をつき出していうと、朝成は眼を反らして、

「そんな事、だれが世間へ密かにしていた。隠し事でも何でもない。六波羅殿のおことばで、儂に再嫁したことは、隠れもない公の沙汰じゃ。――何を今さら」

朝成は、急に、不機嫌になりきった。話が妻の前身に触れればいつもこうなるのである。世間ずれない公卿の感情を左右することは、吉次のような男には嬰児をあやすより易しかった。

三

しまった。――ちと薬がきき過ぎたあんばいである。

吉次は、そう思うとすぐ、