轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页

青空文庫

(いっその事、福原へ遷都すればすべてにいい)

いい――というのは、自己を中心としての考えであるのだが、入道は、その位置、その権力の上に、いつのまにか自己も公人も混同していた。自分の考えをそのまま政治に移すことの危険をそう人ほど反省してみなかった。だから、政治を執る者には稀なほど、彼の政治には、彼の感情までが――何の包装もせず露骨に現れて来たりした。

なぜ入道が、福原へ遷都するのがいいと考えたかといえば、彼にとって、実に、誰よりも畏い――そして苦手でもある、公卿たちが、ややもすれば三井寺や奈良などの僧団の勢力とむすびついて、

(折だにあれば――)

と、平家打倒を画策していることが、多年のいろいろな事件や紛糾でも分りすぎている程なので、

(それを切離すには、京都という因習の都を捨て、新しい都会と文化の中にすべてを遷すのにかぎる)

と、立案したのであった。

そしてどしどし実現へうつし始めて、政治機関の一部さえ、今では福原にあるのである。

海外との交通を促進したり、誰もが認めている僧徒の武力や政治運動に対して、それを撓める工夫をめぐらしたところは大いによいし、国家的な正しい政策ともいえるが、その創案の根本は、何よりも平家一門の安泰の為にあるという事は、誰でもすぐ観破できるので、