轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页

青空文庫

秋日の下に、ぽつねんと一本咲いている白菊のように淋しげであった。――独り、あのお胸に、どんなお気もちを抱いて」

継信と忠信は、そう語りあって、断腸の思いがした。

法皇の恩寵と、鎌倉との板ばさみになって、この吉い日を、歓ぶにも歓べない立場が、宇治川や一ノ谷の働きに対する骨肉の人の答えとは。

「――忠信」

「はい」

「わしたち兄弟は、そうあるまいぞ。たとえ行末、どんな事があろうとも」

「あたりまえです!」

吉次のいる寺へと、その日も帰ってゆく途々、兄弟は改まって、兄弟のあいだで交わした例しのないことを云いあった。

同根相剋

一

――転じて、屋島を中心に、瀬戸内海を抱く国々の動静を見るに、一ノ谷敗退後の平家は、まったく勢いをもり返して、その陣容からでは、

「いったい戦は、源氏が勝ったのか、平家が勝っているのか」

と、疑われるような形を呈していた。

範頼は、いちど鎌倉へ帰っていたが、頼朝の命で八月鎌倉を立ち、

「義経なくとも」

と、中国から九州へまで、源軍の大将として下ったが、むしろ彼を、手に唾して待っていた平家方の謀将知盛のために翻弄されて、その年の末頃には、

「船がありません。