轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
文覚は、勧進の文をひろげ、胸をのばして、さてまた、大声を揚げ直した。
「――今、いったは、昨日のこと。さても明日の世はまた、冥々としてわからない。今日が、平和というたとて、生死流転、三界苦海、色に、酒に、金に、跳猿の迷いから醒めぬものは、やがて、思い知る時があろうというもの。白拍子の、祇王ですらも歌うたではないか――
萌え出るも
枯るるも同じ
野辺の草
いずれか
秋にあわで果つべき
心し給え、大衆。いずれか秋にあわで果つべきじゃ。ここに不肖文覚、いささか思いをいたし、かくは路傍に立って、われらの同血に告ぐるゆえん。ねがわくは、貴賤道俗の助成によって、高雄山の霊地に、一院を建立し二世安楽の勤行を成就させ給え」と眸をあげた。
燃えるような眸である。人間同志の今の不安を見過し得ない憂世の血が、その底を流れている。咳一咳して、
「よって、勧進の状」と、手にひろげていた文を高々と読みはじめた。
それ惟みれば
真如広大なり
法性随妄の雲
あつく覆って
十二因縁の峯にたなびきしより
この以降
本有心蓮の月のひかり
幽かにして
まだ、三毒四曼の太虚に
あらわれず
悲しいかな
仏日はやく没して
生死流転の巷冥々たり