轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
そこから、渓川道はよく見えるはずだが」
「あまりいつまでも見えないので、もしやほかの裏道へでもかかりはせぬかと気をもんでいるのだ」
「なに、峠の上で、貝が鳴らぬうちは、懸念はない」常陸坊はいいすてて、なおも先へ足を早めた。
と――峠の絶巓に、四方へ竹を立て、注連縄を結い、白木の壇を供えた祈祷場が見えた。
先ごろから親鸞調伏の護摩を焚いて、一七日のあいだ、必死の行をしていた那珂の優婆塞院の総司――播磨公弁円は、銀づくりの戒刀を横たえて、そこの筵に坐っていた。
京都の聖護院から国守の佐竹家に招請されて下ってきたという豊前の僧都というのは、この弁円であった。
彼のまわりには、同じ装いの山伏が、ものものしく居ながれていた。ざっとそこだけでも、十二、三名はいる。その他、あちらこちらに潜んでいる者をあわせたら、どれほどの人数が、この板敷山の樹や岩かげに息をひそめているものか分らない。
「オオ常陸坊か。――途中の物見や合図は、手ぬかりはあるまいな」
「もう、親鸞の師弟どもが、見えてもよい時刻ですが」
「焦心るな、今日あいつが柿岡へ出向くことはたしかなのだ。……七日の祈祷は顕然と効があらわれたものといえる、前祝いに、一杯飲め」