轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
そのあげく、子は死んだ。お神札だの、お水だの、仏壇だの、なんだの、すべては彼の眼に忌わしく見える物を、一抱えも持って行って、溝川へ芥のように打ちすててしまった時に、平次郎は、
「――笑わかしゃアがる、これで罰があてられるものならあててみろ」と、天へ向って罵った。
それからは、
(神だと、仏がだと、ふふん……)彼の性格は、また信念は、そうなってしまった。
誰にだって、彼は、そう信じていることでは、退かずにいい争ったものである。――だが、親鸞だけは、さっきから、なんとなくべつもののような気はしていた。
七
「――いってください、後生です。女房へ下げるその手を、どうして御仏さまには下げられないのでござんすか」
「お……お吉」
「いってくれますか」平次郎は、突っ張っていた肩を、がたっと落して、
「……いう、いう……」と、顔をおおった。
「オオ、お前様」お吉はうれしさに、われを忘れて、良人の手を引っ張った。
二人は、かがやく灯へ向って、並んで坐った。善光寺如来の分身が、新らしいお厨子の内に、皎々と仰がれた。
平次郎は、ふと、羞恥むように、妻のほうを見てたずねた。
「……だが女房、なんというて、お詫びをいうたらよいのか」