轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
と、式僧がいった。
見ると、十八公麿の頭は、もう、あのふさふさしている若木の黒髪を剃り落して、瓜のように、愛らしい青さになっていた。
「もしっ……僧正様ッ、おねがいでござりますっ」突然、一人の男が壇の前へ飛びだしてきて、べたっと、手をつかえた。
「あっ」範綱は、驚いた。
僧正の足もとへ来て、泣いているのは、介であった。
「ぶしつけなっ、退がれっ」範綱が、叱りつけると、
「あ、いや」やさしく、僧正はささえて、
「なんじゃ」と、介へたずねた。介は、肩をふるわせて、
「お願いの儀、ほかではござりませぬが、永年、お乳の香のするころより、お傅の役、いたしました私、今、その和子様が、御得度あそばしますのを、なんで、このままよそにながめて、俗界にもどられましょう。……どうぞ、いやしい雑人ではござりますが、この私も今宵の式のおついでに、お剃刀をいただかせて、くださいませ」
「ふーむ、そちも、主に従って僧籍に入りたいというのか」
「はい」
「しおらしいことを」僧正は、にこと、うなずいて、
「主従の情、そうもあろう――六条どの、この者の望み、かなえて取らせたいが、おもとには」
「さしつかえござりませぬ」