轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
後ろに従れて参りましたから、お会い下さいまし」といって、
「孤雲どの。こちらへ」と、呼んだ。
怖る怖る、庄司七郎の孤雲は、そこへ来て、うつむきがちに坐った。範宴は、小首をかしげて、
「はての?」
「おわかりになりませんか」
「知らないお方だ」孤雲は、その時、しずかに顔を上げて――
「ああ、よう御成人なさいましたな」
「あ。……七郎か」
「やはり覚えていらっしゃった」と、孤雲は、ぼうぼうとした髯の中で、うれしげに、微笑した。
「忘れてなろうか。糺の原で、あやういところを、救うてくれた庄司七郎……。あの時、そなたは、なぜ逃げたのか」
「その仔細は――」と、性善坊がひき取って、
「途々、聞いてきたところでございまする。私から、代って、お話いたしましょう」
範宴は、眼を、つぶらにして、聞いていた。そして、
「ほう……、では、日野の学舎でこの身と共に机をならべていた寿童丸は、いまでは、行方が知れぬのか」
「里のうわさによると、この叡山に、知人があるゆえ、戦がやむまでその辺りに、隠れているのではないかと申すのだそうで」
「座主に、お願い申して、よう尋ねてあげよう」
「ありがとうぞんじます」