轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
噂は、俺の耳に入っている」
「これだから……」と、呆れ果てたように、性善坊は、範宴の顔を見て、
「……救えない悪魔です」
「なにっ、悪魔だと」朱王房は、聞き咎めて、かみつくように、罵った。
「よくも、俺を、悪魔といったな。ようし、悪魔になってやろう。こんな偽瞞の山に、仏の法のと、虚偽な衣に、僧の仮面をかぶっているより、真っ裸の悪魔となったほうが、まだしも、人間として、立派だ」
「こういう毒口をたたくのだから、土牢に抛りこまれるのも、当然じゃ。自体、幼少から、悪童ではあったが」
「大きにお世話だ。十八公麿のような、小ましゃくれた、子どものくせに、大人じみた、俺ではない。俺は、真っ裸が好きだ、嘘がきらいだ。――今にみろ、うぬらの仮面や、偽装の衣を剥いでくれる」ものをいうだけが無益であると見たように、性善坊は、範宴の手をとって、
「さ、お師さま、参りましょう……」と促した。
ベッと、土牢の中から、白い唾がとんで範宴の袂にかかった。範宴は、何を考えだしたのか、性善坊が手をとっても歩もうとせず、両手を眼にやって泣いていた。
「……参りましょう、こんな悪魔のそばにいると、毒気をうけるだけのことです。