轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
まず主客の範宴に、禅閤からすすめると、範宴は、
「いただきませぬ」と、はっきりいった。
僧なのでむげにはすすめなかった。僧正はすこしは嗜む口なのである。それに、主の禅閤とは骨肉の間がらではあるし、ここへ来てはなんのわけ隔てもない。
「範宴のいただかぬ分は、わしがちょうだい申そう、こよいは、お志に甘えて、堪能するほど飲もうと思う、帰りには、車のうちまでかいこんでもらいたいものだ、それだけは頼んでおくぞ」僧正はそういっていかにも帯紐を解いたような容子で杯をかさねはじめた。褝閤も、今は隠棲して老後をたのしむ境遇である。こういう夜は、客よりも、彼自身の生活のふくらみであった。
「青蓮院どの、それでは、主客顛倒というものではないか」
「なに、範宴には、料理をたんと出しなされ」
「範宴御房、どうぞ、お箸をおとりくだされい」
「いただいています、僧正のこういう自由なお姿を見ているのは、私として、何よりの馳走に存じます。また、羨ましくも思われます」
「ははは、範宴が、何かいうとる」僧正はもう陶然と酒仙の中の人だった。
二
「姫が見えぬが」とやがて僧正が訊ねた。月輪禅閤は、侍臣をかえりみて、