轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「綽空様はおられますか」と中をのぞいている。
頭からずぶ濡れになっているその男を、人々が見て、隅のほうから、
「おられるが、どなたじゃ」と、たずねた。
「性善坊でございます」と、その影はいう。
「おう」綽空はすぐ立ってゆこうとしたが、思いとまったように、法然のそばに坐ったまま、
「なんぞ、用か」といった。
「この暴風に、お変りもあらせずやと、お見舞いにうかがいました」
「よう来てくだされた。しかし、見るとおり、上人にも、お変りはない」すると他の人々が、
「町はどうですか」と、訊いた。
「いやもうひどい有様です。ここへ来る間にも、塔の仆れたのを見ました。門や築地の壊された所は限りもありません。粟田の辻のあの大きな銀杏の樹すら折れていました」
二
このひどい大風が明け方までも吹きつづけたら京の町はどうなることか。
丸木組みのいたって粗末なこの吉水禅房の道場などは、ひとたまりもあるまいと、人々は、上人のまわりに固唾をのんでいた。危険を冒して、その中を見舞いに来た性善坊はやがて、
「では、お暇いたします」ざぶざぶと、ふたたび豪雨の闇の中へ帰って行った。
上人は、自分の側から立たない綽空の顔を見て、