轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
弁円は、肚の底まで見透かされたような気がして、ややしばらく、じっと峰阿弥の面を見つめていたが、
「ウーン、なかなか面白い理窟をこねる奴だ、それほど、人の心がわかるなら、俺がなにを思っているか、それも分るか」
「わからいでか」
「いってみい」
「おぬしは、綽空が、月輪殿の姫と婚儀を挙げることを怒っているのじゃ」
「ばかっ、それは今、俺が独り言に洩らしたのを聞いていたのだろう。そんな知れきったことでなく、俺が、それについて、なにをするか、胸で思っていたことをあててみろというんだ」
「わしは、陰陽師ではないから、そんな先のことは知らん……」
六
峰阿弥は、語を次いで、
「だが、山伏どの、他人が眉目よい妻を娶るのを、嫉むものは、あさましゅうござるぞよ。どういうお怒りか存ぜぬが――」
すると弁円は、
「おれの怒りは、公憤だ、私憤ではない」
「ははは。その両方ではありませんか。野暮な青筋をたてるよりも、妻が欲しくば、ご自分もよい女房を持つのが一番よいではございませんか」
「だまれ、俺をそんな破戒無道な山伏と思うているか。ヘタ口をたたくと、金剛杖をくらわすぞ」
「なぜでしょう? ……」