轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「裏方、そう仰っしゃられると、吾らはよけいに邪推をまわしたくなる。主人の御房が留守であろうと、在そうと、それはおのずから別問題じゃ。実をいえば、その附近へ逃げこんだに違いないその傷負いというのは、裏方とはご縁の浅くない吉水禅房の末輩で、法然房が叡山へ諜者に放った人間なのじゃ」
「…………」玉日が、歩みかけると、喋舌っていたその法師は、先へ廻って、薙刀の柄をわざと横に構え、
「お手間はとらせまい」と、いった。
玉日は、貴族的な高い気位を知らぬ間に眉にも態度にもあらわしていた。下司を見くだす眸でじっと二人を凝視した。
「ははは、お怒りか」黄色い歯がまた飛出す。だが、法師の一人は絶えずうさんくさそうに草庵の方を見るのである。玉日は、是非の判断なくいいきってしまった言葉のてまえ、その狡智な眼が怖くもあり、なんとしても防がなければならない気持に駆られた。
「半分実をいって、半分いわずにおいては、なにやら胸つかえがしてならん。事のついでになにもかも吐いてお聞かせするがの、裏方」
顔を近づけてきて唾まじりにいうではないか。玉日は、忌わしさに、体がふるえた。息までが臭い気のする作法知らずの山法師である。