轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「――怖ろしくなった。おれは、おそろしくなった」
「はて、何が?」わざと訊ねると、
「こうしている身の果てが」
「うむ。……それだけでござるかの」
「いや、何もかもだ。……今日まで盲滅法に生きてきたが、過去も怖ろしい、現在の悪業もおそろしい。しかもその悪業から抜けることができない宿命かと吐息をついていると、お身様の話には、善人ですらなお救われる、いわんや悪人をやと仰っしゃった、これが、泣かずにいられるだろうか。――仏の弘大な慈悲というものが初めて身に沁みてわかった気がする。……するともう、何だか、泣くよりほかはなくなってしまった」
「オ、四郎。お汝は心の眼がさめたの。何という倖せな男ぞ」
「え、おれが倖せ?」
「見よ、善信をはじめ、この禅房の誰も彼も、御仏の胸にしっかり抱かるるまでには、みな切磋琢磨、幾十年の苦しみや迷いをしてここに至るものを、そちは、わずか一日のうちに、御仏の手から生れ変った嬰児のように誕生したではないか。世にもまれな倖せ者ではある」
「じゃあ、おれのように、あらゆる悪業をし、五体の爪の先まで、悪念悪心に充ちているような人間でも」
「即菩提心。もうお汝は悪人でもなんでもない」