轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
それに、市中へ立てた官の高札は、たちまち効き目があって、それに掲示された恩賞を利得しようとする洛内の雑人たちが、密偵になりきったように、寄るとさわると、松虫の局と鈴虫の局のありかについて、目鼻をするどくし合っているのだ。弁円が悠々と待っていられない気持はそこにあった。まごまごしていれば何人かがきっと探し当てて官へ密訴して出るにちがいない。虻蜂とらずの目を見てしまうに違いない。
「ええ、ばかな」彼は、自分の迂愚を罵って、
「――あんな男をあてにして、のんべんだらりと待っている奴が間抜けというものだ。よし、もう当てにすまい。自分の力で突きとめてみせる」弁円は、杖を持ち直して歩き出した。――といっても、彼にもすぐ的があるわけではないが。
(吉水)と、思ったが、さすがに彼には、そこへ近づく気になれない。こっちの探らぬうちに、先に疑われてしまうだろうと思った。
――どこか、吉水の浄土門に関係のあるほうから探ってやろう。外廓から手繰ってゆくのも案外おもしろいかも知れない。
そんなことを考えながら、三条のほうへ、並木にそって、半町ほど歩みかけると、誰か、後ろで自分を呼ぶ声がする――