轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
彼は、もう上の尼たちが、食糧がなくなるころなので、深夜をはかって、それをそっと運びに行くのだった。
この上には人家もないはずだと弁円は考えていたが、肌の汗ばむような嶮しい道をのぼりつめてゆくと、ポチと、灯が見えたのである。――朽ちた板戸の破れ目から。
「あっ……」意外とせざるを得なかった。住蓮が立つと、そこが開いたのだ。そして、炉の火をうしろにして、美しい尼が二人、何か囁き合って、彼を中へ導いた。
すぐ閉められた戸の外へ走り寄って、弁円は、板戸の穴へ顔を押しつけた。息をころして覗くのだった。
「……ウウム」思わず大きな息をつく。
風は満山に轟々と鳴って、どこかですさまじい滝水のひびきがする。星は研げて、一つ一つが魔の目みたいに光っていた。猿がしきりと暗い谷間で叫びぬく。
七花八裂
一
樵夫のような男が、ぶらりと叡山の根本中堂の前に立った。座主の執事らしい僧が、
「うろんな奴、あれを糺せ」と、院務を執っている一人へ囁くと、
「これっ」ばらばらと、二人ほど、駈けてきて、男の腕をつかまえた。逃げもしなかった。
「はいっ」と、明に――
「なんですか」
「おまえは何者だ」
「私は、十数年前、当山にいて仲間僧を勤めていたことのある朱王房といっていた者です。