轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
わろうべき人間の天に向ってする唾でしかない。――そちたちも、夢、法然が信をさまたげ給うな」
二
夜はまだ明けない――ほの明るいのは桜並木だ。咲いている花のうえには残月があった。
「いそいで――」と、月輪の館から、老公をのせて、ぐわらぐわらと曳き出した牛車のうしは、手綱に泡をふいて、小松谷の法勝寺小御堂へ駈けつけてゆく。
「待てっ」
「どこへ行く」小御堂の近くへ来ると、小具足を纒った武者たちが、牛車のまえに立ちふさがって咎めた。
「――通ること相ならん。官符を持ちおるかっ」老公は牛車の裡から、
「誰の御人数であるか」と、たずねた。武者の一人が、
「領送使清原武次が手の者と、奉行周防判官元国が家臣」という。老公は、うなずいて、
「ご両所を、ここへ召されい。儂は、月輪禅閤でおざる」
「や、月輪の御老公におわすか」驚いて、武者が走ってゆく。
法勝寺の別院に屯をしていた領送使の清原武次は、すぐ老公を迎えて、仮屋の一室へ迎えた。
「このたびの役目、ご大儀である」と、老公は、一応の挨拶をした後、
「火急、未明のうちに参ったのは余の儀でもおざらぬ。上人がこのたび下向の命を沙汰された土佐国は、御老躯に対し、あまりにご不便。