轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

「おうっ……」年景は、振りかえって、ぎょっとした。――それは忘れもしない――かつて領下の田を、狩猟に出た帰り途に見廻ってくる途中で、松並木に、念仏の名号をかけて、村民たちに説教をしていた配所の流人僧である。――その時、自分は大の念仏ぎらいであるし、自分の通過も怖れず、突っ立っているその僧を憎い奴と思って、馬上から名号の掛物を引きやぶッてやろうとすると、それを拒んで、自分の馬蹄の下に倒れ、顔かどこかに怪我をしたあの僧である。後に聞けば、それは親鸞の弟子僧のうちでも、最も、前身にすごい経歴を持っている人物で、以前は天城四郎といっていた強悪の賊であったが、今では、念仏の行者になって、名も生信房と改めている男だと聞いている――

その生信房が、今、忽然とこの炎のなかへ駈けつけてきたのである。年景は、ぶるぶると体がふるえてしまった。――刹那に、彼の頭を突き抜くように走ったのは、

(復讐に来たな)という恐怖だった。

四

すでにその前から、憤怒、滅失、狼狽、あらゆる感情のみだれに、われというものすら失っている萩原年景である。

(いつかの流人僧だな)と、眼のまえに生信房のすがたを見ると、彼は蒼白になり、体はふるえ、口は渇ききって、恐怖のさけびも出なかった。