轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

八

「きれいではございませぬか」衛門は、垣の内の朝顔へ、範宴の注意を呼んでおいて、そこから黙って、帰ってしまった。

性善坊は、何気なく、垣のうちを覗いて、愕然としながら、範宴の袂をひいた。

「お師さま。……ここでござりますぞ」

「なにが」

「ご覧じませ」

「おお」

性善坊に袖をひかれて、草庵のうちを覗いた範宴の眼は、涙がいっぱいであった。

姿は、ひどく変っているが、日あたりのよい草堂の縁に小机を向けて、何やら写し物の筆をとっている老法師こそ、紛れもない、養父の範綱なのであった。

八

「いつ、ご法体になられたのか」範宴は、涙で、養父のすがたが見えなくなるのだった。

「……面影もない」と昔の姿とひき比べて、十年の養父の労苦を思いやった。

性善坊は、たまりかねたように、そこの門を押して、入ろうとした。

「これ、訪れてはならぬ」範宴は叱った。そして、心づよく、垣のそばを離れて、歩きだした。

「お会いなされませ、お師様、そのお姿を一目でも、見せておあげなされませ」

「…………」範宴は、首を横に振りながら、後も見ずに足を早めた。

すると、鍛冶ヶ池のそばに二人の若い男女が、親しげに、顔を寄せ合っていたが、範宴の跫音に驚いて、