轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
母の吉光の前と源三位頼政とは、おなじ族の出であるし、そのほか、この河原には、幾多の同血が、屍となっているのである。範宴は、復従兄弟にあたる義経の若くして死んだ姿をも一緒に思いうかべた。そして、そういう薄命に弄ばれてはならないと、わが子の未来を慮かって、自分を、僧院に入れた母や養父や、周囲の人々の気もちが、ここに立って、ひしとありがたく思いあわされてくるのでもあった。
その霜除けの囲いがなければ、自分とても、果たして、今日この成長があったかどうか疑わしい。自分の生命は、決して、自分の生命でない気がする。母のものであり同族のものであり、そして、何らかの使命をおびて、自身の肉体に課されているこの歳月ではあるまいか――などとも思われてくるのであった。
「…………」数珠が鳴った。性善坊も、瞑目していた。
すると、その二人のうしろを、さびしい跫音をしのばせて、通りぬけてゆく若い女があった。
二
ふと、振りかえって、女のうしろ姿を見送りながら、
「もし……」性善坊は、範宴の袂を、そっと引いた。
「――あの女房、泣いているではありませんか」
「町の者であろう」
「欄干へ寄って、考えこんでいます。