轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
五
「範宴っ、何をしとった?」と、焼けた金火箸を下げて、彼の方へ歩いてきた。
五
「どこまで、水を汲みに行ったのだ?」学頭は、睨みつけていった。
「はい」範宴が、詫びると、
「はいじゃない」と金火箸で、胸を突いて――
「貴公、この法隆寺へ、遊びにきたのか、修行にきたのか」
「…………」
「怠惰の性を、懲らしてやる」学頭は、金火箸をふりかぶって彼の肩を打ちすえた。
範宴は炊事場の濡れている土に膝も手もついて、
「わるうございました」
「不埒なっ」庖丁を持ったり、たすきを掛けたりした同僚たちが、がやがやと寄ってきて、
「俺たちが、働いているのに、怪しからん奴」と、一緒になって罵詈する学僧もあるし、
「荒仕事に馴れないから、無理もないよ」と庇う者もあった。
だが、庇う者のことばに対して学頭はよけいに呶鳴った。
「こんなことがなんで荒仕事か、僧院に住む以上、当りまえな勤めだ。叡山あたりでは、中間僧や、堂衆をこきつかって、据膳下げ膳で朝夕すんでいるか知らんが、当寺の学生寮では、そんな惰弱な生活はゆるさん。――また、貴族の子でも誰の子でも、身分などに、仮借もせんのだ。それが覚運僧都の仰せでもあり、法隆寺の掟でもあるのだぞ。