轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
六
そうして、てめえは世間を甘くごまかしているのだ。どうだ、恐れ入ったろうが」止刀を刺したもののように四郎が言葉の結びを付けると、綽空はそれに対して、一言のいいわけをするのでもなく、
「いかにも、お汝らのいうとおりな事実はある。しかし、それは貧燈の一僧をあわれむお方の布施であるほかに何ものでもない」
「女と男の間のこと、何といおうが、俺たちは合点せぬ。それとも、俺たちのいい分に不服があるか」
「ない」
「ふん……さすがに返す言葉がねえわ」と、あざ笑って、
「しからば、月輸殿へ、手紙を書け。この男に応分の喜捨を頼むと。――話のすじはこっちでする」
「月輪殿に、何の科があろう、みな綽空のいたらぬことによる。綽空を責めよ、綽空の法衣なりと剥げ」
「ばかなっ、そんな破れ衣がいくらの飲み代になると思うか。――もうよし、くどい問答は切りあげて、また出直そう」もっと粘るかと思いのほか、四郎は手下を連れて、あっさりと引揚げてしまった。
しかし、それから四、五日後のこと。
どこへ行って戻られたのか、九条の月輪殿の門前に、一輛の輦がついて、その中から主の月輪禅閤が降りた姿を見とどけると、突然、物蔭から精悍な眼を光らせて走って来た天城四郎が今しも邸内に入ろうとする禅閤の法衣の袂をとらえて、