轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「過去現在のあらゆることもゆるして下さろうか」
「善信――いや仏は嘘を仰っしゃらぬ」
「あ……ありがたい」ふたたび泣きふす手を取って、善信は膝を立てた。
「さ。――師の上人におひきあわせ申そう」
十
導かれて行く縁を踏んで、四郎はその縁の下に忍び込んだ夜の念仏の声を思い出した。
「しばらくそこに……」と、彼を次の部屋に待たせておいて、善信だけが奥の間へ入った。ややしばらくのあいだ、四郎はじっとそこに坐りこんでいた。と、やがて、
「入るがよい」と、隔ての襖が開いて善信の半身が見える。
「はい」
四郎は、容易にそこへ入り得なかった。何か怖ろしい重圧をうける感じだった。また、自分のすがたが――いや心がいかにも見窶らしく思えて負け目を感じるらしいのである。
「遠慮のう」これは善信と向い合っている眉雪の老僧のことばだった。はっと四郎は頭を下げてしまった。うっかりしていたがそれが法然上人であると気づいたからだった。
「ここで。はい、ここでもう充分結構でございます」
「寒風が洩る――」と、善信がいって、
「上人は、ちとお風邪のきみでいらっしゃるのだ。おことばに甘えて」
「でも、同座にはあまりに」