轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

「日の出」1935(昭和10)年1月号~1937(昭和12)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 337,181 字 · 676 页

青空文庫

――そして、詰部屋に戻って、夕刻の諸式を相談している藩士たちの席に列していると、

『奥田様、お越し下さい』

後で、手をついて言う若侍がある。

見ると、物頭並の磯貝十郎左衛門、美男なので、晴れの熨斗目裃がいとどよく似合う。

『磯貝か、何じゃ』

『吉良どのが、御検分にお出です』

『ほ。吉良どのが』

彼が立つと、相談している席から、二、三名が抜けて、

『お迎えせねば』

と、あわただしく出て行った。

そこを出るとすぐ、何か、荒々しい皺嗄れた声が、大玄関の方で聞えた。孫太夫はもう袴腰がすこし曲って見える年齢である。白足袋のおぼつかない足が、その老躯を、はらはらと、大玄関の方へ運んで行った。

見ると、同じ老人ながら、背丈のすぐれた、そして、利かない鰐口を、窪んだ頬に彫りこんでいる上野介が、式台の正面にある衝立の塗縁を、扇子で、打ち叩きながら、そこに、頭を摺りつけて平伏している浅野の家中を、頭のたかい眼で、睥睨しているのであった。

『これは、何じゃっ。――これはよ』

『はっ』

『狩野法眼元信の筆、竜虎の図が、御自慢で飾ったのか』

『はっ……』

『何をいうても、はっ、とだけで、御用が勤まると思うか。