轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
「日の出」1935(昭和10)年1月号~1937(昭和12)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 337,181 字 · 676 页
素朴と毒舌
何をやらかしたって、ふしぎはねえ)
かなしき江戸人の自嘲はこれだった。かれらは、この裏の心理を、吹出腫みたいに、世相へ咲かせた。かくて元禄文化の華やかなる色若衆やら音曲やら猥画淫本そのままな世代が、夜は夜の灯となって燃え、昼は昼で、“世の中は金、一にも金、二にも金”と、金を追いまわす巷の眼色で――。
(ああ、江戸の繁昌は、えらいもの。元禄になってからは、日に月に、開けてゆく一方だ)
と何も知らない地方人や、三年目毎にその変り方を見る勤番者は、あっ気にとられるばかりである。
素朴と毒舌
『滞りなく、一昨日、吉良殿へは、御挨拶をいたして置きました』
吉良家へ使した江戸家老の二人から、こう復命のあった朝である。内匠頭は、まず、一時は済んだとして、
『そうか、では今日は、自身推参して、親しく、今後のお近づきを、願って置こう』
供揃いをして、駕を、わざわざ呉服橋の吉良家へ向けた。あくまで師門に弟子入するような礼を執って、内匠頭は、慇懃に、指導を仰いだ。その態度が、上野介には気に食わない。
(口先よりも実ではないか。よこすのは、家来共でも、済む話。なぜ、それよりは、肝腎な所へ気がつかないのか)