轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
七
「さ……」彼女は考えて、
「やはりただ、なむあみだ仏――と、そう仰っしゃればようござんす」
「それだけでよいのか」
「ええ」
「たったそれだけで、おれが今日までやったいろんな悪いことが、みんな、お詫びになるだろうか」
「先の願いにもなりまする」
「では……」ふたりの掌がいっしょに揃って、合掌した。
燦として、外陣内陣の仏燈が、いちどに、光を改めた。
「なむあみだ仏――」
「なむあみだ仏――」
「おお、おいいなされた」お吉のほほ笑みは、さながら、菩薩の笑みに似ていた。平次郎は、やめなかった。
「なむあみだ仏、なむあみだ仏――」ぼろぼろと涙がやまない。
「もう、ようござんす、ここは、家ではございませぬから」心から、笑って、夫婦は急に、親鸞のうしろへ退がった。
城主も、侍たちも、二人をながめている間、平次郎の過去の罪を考えている者はなかった。ただ美しいものを見るように見惚れていたのである。藤木権之助がすすんで、
「追ってお上よりも、何かのお沙汰があろうという仰せであるぞ。ようお礼を」と、二人のそばへ来てささやいた。
平次郎は、あわてて、武士たちの居ならんでいるほうへ頭を下げた。