轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「だが――」と、性善坊は側から――「この叡山には、三千の学僧と、なお、僧籍のない荒法師やら堂衆やら、世間を逃げてきた者たちが、随分と、一時の方便で、身を変えているのも多いゆえ、容易には、知れまいと思うが……」
「ま……。いつまでも、おるがよい」と範宴は、なぐさめた。
孤雲は、ともすると、燭に面を伏せてしまった。――もう五、六年も前になるが寿童丸の腕白から、まだ、十八公麿といったころのこの君が、土で作っていた仏像を足蹴にかけたことだの、日野の館へ石を投げこんで罵りちらしたことだの……過去を思い出すと、背なかに、冷たい汗がながれる。
だが、範宴も、性善坊も、そんなことは、さらりと、忘れたように、
「孤雲どの、空腹ではないか」と、いたわる。
「はい……実は……」と、ありのままに答えると、
「では、粥でも、煮てあげい」範宴がいう。
やはり菊の根には菊がさき、蓬の根には蓬しか出ぬと、孤雲の七郎は、旧主の子と、範宴とを心のうちで較べて、さびしい気がした。
三
月も末に近くなる。
範宴少納言の入壇の式は、近くなった。
それが、いよいよ、実現されることが、明確に知れわたると、若い学僧だけの騒ぎでなくなった。