轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
二
いつまで、わしの側にいては、その尊い苦しみをなめることができぬ、わしに、少しでも、いたわりが出てはおもとのためにならぬ。――師を離れて、真の師に就け。真の師とは、いうまでもなく、仏陀でおわす。――ちょうど東塔の無動寺に人がない。枇杷大納言どののおられた由緒ある寺。そこへ、今日からおもとを、住持として遣わすことにする。よろしいか、支度をいたして、明日からは、そこに住んで、ひとりで修行するのですぞ」
二
範宴は、うなずきながら、ほろりと涙をこぼした。小さい手で、その眼を横にこすっているのを見て、慈円は笑った。
「明日から、一ヵ寺の住職ともなる者が、涙などこぼしてはいけない。……元気で行きなさい」
「はい」衣の袖で、涙を拭いてしまうと、範宴は、別れ難ない眸をあげて、師の顔を仰いだ。
「では、行ってまいります。お師さまの教えを忘れないで、励みまする」礼をして、立って行くのである。その姿を廊下の方で待ちうけていたのは、さっきから板縁に坐って、案じ顔に控えていた性善坊であった。
すぐ手を取って、堂の階を降りてゆく。そして、房の方へ歩いてゆくうちに、性善坊が明るい顔で、何か訊ねているし、範宴も、今泣いたことなど忘れて、々として、彼の手をつかんで振ったり、その肩へ、ぶら下がったりして、戯れながら行くのだった。