轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

十三

「いや何、私の取越し苦労です。――というわけは、お従弟の鞍馬の遮那王どの、とうとう、山を下りて、関東へと、身をかくしてしまわれたということです」

「えっ……遮那王殿が」

「油断をしていたため、だしぬかれたと、平家の人たちは、地団駄をふんでおります。そうでしょう、謀叛気がなければ逃げるはずはありません。忽然と、あの稚子が、姿をかくしたのは、まだ、少年ではありますが、明らかに源家の挑戦と見られる」

「でも、まだ十六歳の小冠者が、どうして、逃げおおせましょう。……傷ましいことでございます」

彼女は、ふと、月にかかる雲を見た。ひそかに心のうちで祷っていた従弟の失踪に、また幾人の血につながる者たちが哭くのではないかと戦慄した。

そして、気がつくと、自分の膝に戯れていた十八公麿が、いつのまにか、月の光の中を、他愛なく這いまわって、縁へ出ていた。

十三

「あぶない」と、有範は、彼女が起つまえに立って、十八公麿を抱きとってきた。そして、自分の膝へのせて、

「近ごろは、もう、眼が離せぬわい」と、わらった。宗業や、範綱は、こもごもに、十八公麿を、あやしながら、

「今のうちに眼の離せぬのはまだよいが、やがて、遮那王のように成人してからが、子をもつ親は一苦労じゃ」