轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
――それには、小智、小惑、すべて小人の痴愚を脱って、裸々たる一個の人間のままでお在せ」
「はい」
「役人である、代官である、父である、そうした雑念も無用じゃ。ただ、こう掌をあわせ、念仏をお称えあるがよい。そのままついとお帰りあって、妻に会い、子を抱えてごらんぜよ、また、役所にあって政を見られるがよい――そしてふと思い出されるごとに、また、こうして念仏されい。心がけてなされようとすることは仏に対するそれだけの勤めでよいのじゃ」
「分りました。……かえすがえす恥じ入りました。この掌は上人に合せていただいたものです、必ず、こう生涯を仕ります」
「おん身のゆく先には仏光がある。怠られな、それだけを」
「いたしまする。――ついては、この機縁をもって、私を在家の帰依者の一人と思し召し下さりませ。妻もやがて、ご拝顔を得て、お礼を申しあげたいといいおります」
話しているうちに、西仏も教順も、生信房たちも、托鉢から帰ってきた。
年景は、生信房のまえに、両手をついて、いつかの年、並木で馬上から御名号へ無礼をした罪をわびた。
「あのお怨みも深かろうと思うていたに、いつぞやの危難の折には、炎の下より、私の家族どもを救い出してくだされた……あの時のおん身の姿の神々しさ……有難さ、忘るることのできないものでありました」