轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
四
「――が、やはり私は、代官でござる、縛るのは国法です、蜘蛛太は牢に入れました、所へ折よく佐渡へ渡る僧がござりましたゆえ、その僧に托して彼を流しました、怖らく蜘蛛太も、私以上に、前非を悔いておりますことゆえ、やがて仏弟子となるか、真面目な町人となって、幾年かの後には、訪ねてくる折がござろう」生信房は、ほっとしたように、眉に明るいものをたたえた。
「ありがとうございました」自分のことのように礼をいう。
「では、夜も晩うなりましたゆえ……」と、やがて彼は、上人にも暇を告げて、暗い道を歩いて国府へ帰っていった。――その晩は楽しかった。
「わしらの住む所、みな浄土になる」と人々はいったが、
「いや、わしらというのは、誇りがましい、念仏の声のわく所――じゃ」こんなひどい茅ら屋と食物とに生きながら、夏も一人の病人も出なかった。
盆が来る――草からのぼる夏の月は、夜ごとに配所の人々をなぐさめた。
村々の踊りには、剽軽な西仏もまじって踊り、生信房も、歌をうたった。――その歌にはいつの間にか、上人のことだの、念仏のよろこびが流れこんで、郷土の人々の血の中にまで、仏の精神が入った。