轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
「日の出」1935(昭和10)年1月号~1937(昭和12)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 337,181 字 · 676 页
一名の汚辱を出せば、一党の汚辱となろう。――それにひきかえて、今、涙をのんで、彼の人々に死を賜うならば、その生命の光は、日月と同じである。この世がどう変ろうと、人の心がどう荒もうと、真実の精神は、この国の民心のうえに、いつも大きな力と光となって輝くであろう。いかに生きてみたとて、短い人命、夢幻泡沫の世、死を与えるは、かえって彼等への大慈悲ぞと思い、とうとう、帰るまで将軍家に答えなかったが……、さぞや将軍家には、情なき者と思されたであろう』
みぞれ酒
処決がついても、或る期間は、当然、秘密にされていたであろう。細川家などでも、輿論の用いられる事を信じて、
(助かる)
と、みな信じていた。
(助けたい)
という気持が、誰の胸にもいっぱいなのだ。何うしても、そう考えが傾きたがるのである。
で、細川家では内々、幕府の処決の発表も近いと知って、
――御赦免となった時は
――遠島に処せられた時は
――万一、死罪の時は
と、こう三つの場合を予想して、急場に来てまごつかない準備をしていた程だった。
わけても、伝右衛門などは、三つのうちの最後の死罪などの処分は、あり得ない事としていた。