Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

……すぐ死骸が見つけられて、お吉とわかると……それにつれて、下手人も」すこしもじっとしていられないような彼の眼つきだった。

「まずいぞ」つぶやくと、帯をしめ直して、家の外へ駈けだした。

「人が集まってからじゃあ間にあわねえ。誰も知らねえうちに、お吉の死骸を……そうだ死骸さえかくしてしまえば」そしてふたたび、柳島のほうへ駈けて行ったが、その時、彼のうしろから、赫々と大きな太陽の光が、下野の山々を朱にそめてかがやき出していた。

「……しまった、夜が明けてしまった……。ええ、どうなるものか」太っ腹をきめて、平次郎はなお先へ急いだ。もう、伽藍は暁のさえざえした光の中に浮き出していた。ちらほらと、廻廊や広庭には人影もあるいていた。新しい御堂の大扉はすでに開かれて、内陣の壇には、先刻の僧たちが、仏具や帳や蓮華や香台などをせわしげに飾っていた。

「……はてな……この辺だったが……たしかに、この角の欄干から」平次郎は、自分で殺した女房の死骸を、血眼でさがしていたが、死骸はもうそこに見あたらなかった。

二

「こいつあ、いけねえ」彼は、自分の危急を感じた。

お吉の死骸を、他人の手に持って行かれたとすると――平次郎の身に嫌疑のかかってくるのは当然である。