Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

三

幾つの悔いをなしたゆえ、幾つの善をなして埋めようなどという心は仏心でありませぬ。さような形に囚われた振舞いは自分で蔑んだがよい。――悪を浅ましいというが、善根のための善をしようとする人間の心根はなお浅ましゅうはおざらぬか」

「はっ……はい……」

「流人の親鸞を見れば親のように慕う領民が、代官のすがたを見れば鬼のように逃げてゆくが、淋しいと先刻いわれた――あのお心が菩提じゃ、それだけでもう御仏はおん身の胸に宿られ給うに、なんで事にわかに、石を積むように悩まるるか」

「ただ、慚愧でござります、悔悟の念でござります。そして一時もはやく、自責の苦悶からのがれたいために」

「そのためにまた、悩みの中へ入ってゆくを、愚とは思されぬか。心とは、そうしたものでない。発菩提の一瞬から、心は爽かに、眉すずやかに、寝るも起きるも、この浄土でのうてはならぬ」

「そのようになれましょうか」

「おん身は、生半可な知識があるので、かえって仏の御座の一歩まえにこだわって、ずっと、安心の座にお着座ができぬ。たとえば、この親鸞のおる屋の下へ通られたように、何ものもない気持で、ずばと仏のお膝まですすまれい。