Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
五
五
鞍馬の遮那王。ずばと、そういったのである。
この金的は、よも外れてはいまい――というように、自信をもった眸で、文覚は、じいっと、相手の顔いろを見る。
「……うむ」堀井弥太の砂金売り吉次は、えくぼをたたえて、頷いた。ふとい――大きな息で、
「……そうか」文覚も、うなずき返した。
遮那王といえば、源家の嫡男、前左馬頭義朝の末子で、幼名を、牛若といった御曹子のことだ。常磐とよぶ母の乳ぶさからぎ離されて、鞍馬寺へ追い上げられてから、もう、十年の余になる。
「…………」文覚は、黙って、指を繰っていた。弥太の吉次も、黙然と、大文字山の雲を見ていた。
「今年は、承安三年だな」
「さよう――」
「すると、遮那王様には、お幾歳になられるか」
「十五歳」吉次が、答えると、
「ほ……。はやいものじゃ。もう、あの乳くさい源家の和子が、お十五にも相成ったか」
「文覚、おぬしも稀には、お会いなさるか」
「いや、一昨年、書写山に詣でた折、東光房の阿闍梨を訪ねて、その折、給仕に出た稚子が、後で、それと聞かされて、勿体ない茶を喫んだわと、涙がこぼれた。――噂によれば、僧正ヶ谷や、貴船の里人どもも、もてあましている暴れン坊とか」