Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
四
自然の土崩れなのであった。
今か、今か――とそうして心気を緊りつめているうちに、弁円は、疲れてきた。疲れを感じると、なんとなく焦躁してきて、根気よく鳴りをしずめている他の者へ、何か、大声で呶鳴ってみたい気がしたが、もし親鸞にさとられてはと、なおも、じっと、疼きを抑えつけていた。
からかうように、山鳩が、ばたばたと無遠慮につばさを鳴らして、谷へ舞って行った。――空しい水音が、ぐわうとその谷底を揺すり流れている。すると、
「おのれッ」声が揚った。一喝、山に谺をさせ、二の手の柵から躍り出した者がある。
甲賀坊だった、脱兎のように、一の手のほうへ、戒刀を引っさげて駈け出して行った。
「来たっ」
「逃がすなっ」先駆した甲賀坊につり込まれて、二の手の者五、六人、皆穂すすきが流れるように太刀をひっさげ、
「――どこだっ」すさまじい旋風をつくって、われがちに飛ぶ。
「どこだっ」同じような言葉を返して、一の手の者も、どっと、一斉に起ち上がった。そして、走ってきた二の手の者とぶつかって、混乱しながら、
「どこだどこだ」わめき合った。
弁円はこなたからその様子を見て、さては、矢にも及ばなかったかと半弓を投げすてて、そこへ駈けつけた。