Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
吉水夜話
一
範宴は死んで、範宴は生れたのである。
法然は、ある時、
「これへ参られよ」彼を、室へ招いていった。
「世上のうわさなどを、気に病むことはないが、とかくうるさい人々が、いつまでもおん身のなした過去の業をとらえて非難しているそうな。そしてまた、叡山の衆は、おん身が浄土門に入ったと聞いて恩義ある宗壇へ弓をひく者、師の僧正を裏切る者だなどと、さまざまに、誹謗し、呪詛する声がたかいという」
「もとよりの覚悟でございます。ただ惧れますことは、私の願いをおきき下さったために、この念仏門の平和をみだしては済まないと思うことです」
「心配をせぬがよい」上人は明るく笑って、
「おん身の非難の余波ぐらいで乱されるこの門であったら、億衆の中に立って、救世の樹陰となる資格はない」と、いった。そして、
「しかしまた、世の風に、われから逆らうこともあるまい。おん身もこの際に、名を改めてはどうか。いくらかでも、人の思いも薄らごうし、また自身の生れかわったという気持にも、意味がある」
「願うてもないことです。甘えて、お願い申しまする、なんぞ、私にふさわしいような名をお与え下さいまし」上人は、唇をむすんだ。