Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
葉隠れの花
一
そういう報らせに、
「それ」と、すぐさま衛府の侍を走らせてみると、それは、郷住まいになったさる武家の姉妹であった。
「志賀から北国路への道を、被衣した若い女がふたり、駅伝の駒を雇って行った」と、その方面の役人から飛札が来ると、
「きっと、それだぞ」と、ばかり、大宿直の公達は、侍をつれて、騎馬で追って行った。
吉報いかに? ――と、御所では鳴りをしずめて待っていたが、やがて、四日も過ぎて、へとへとに帰ってきた公達輩の話では、
「追いついてみれば、何の事じゃ、越前の庄司が娘と、その腰元ではないか」告げるほうも、がっかりであったが、聞くほうも落胆した。――この上はと、今までの秘密の裡に事件をつくろってしまおうとした方針を変えて、中務省捕吏の手も借りて、洛内から近畿にいたるまで触れを出した。
辻には、高札を立て、松虫の局と鈴虫の局の年ごろや面貌を書きそえ、院の衛府まで、そのありかを告げてきた者には、恩賞をとらせるであろうと告示した。
しかし、それを見て、衛府へやってくる民衆の密告が、一つとして、あたっていたものはなかった。
「なんのことじゃ、これでは、よけいに繁雑になるばかりではないか」