Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
九
専修阿弥陀寺
と下賜しおかれた。
今ものこる高田専修寺はこの寺である。――親鸞が稲田にあっての農田生活十年のあいだに、こうして建立された伽藍なのであった。
もっとも、その十年のあいだには、ここばかりではなく、親鸞の師弟が杖をついた地方――たとえば越後、信州、上州、武州などの各地にも、蒔かれてあった胚子が、春に会ったように、簇々と芽となり、ふた葉となり樹となり花となって、念仏曼陀羅の浄地を、各地に生み殖やしても行った。
それは、あたかも大地が植物を伸ばして行くあの自然の力にも似た必然の勢いで――。
この勢いと時代のまえには、多年念仏門を呪詛していたあらゆる呪詛も、声をひそめてしまった。権力も、それには従うほかなかった。
だが――親鸞も、人間である、いつの間にか、よいお爺さんになってきた。
もう六十にちかいのである。そして五、六人の子供たちの父であった。――その以前に、前の玉日の前とのあいだに生げた一つぶ種の範意は、京都で、父の顔を知らずに亡くなってしまったけれど――とにかく彼は今、一個の家庭の父としても幸福であった。
しかし、彼は、その幸福の中に、綿帽子をかぶって、屈んでしまう人でなかった。