Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「手伝わせて下さい」

「茅を持ってきました」

「雨戸を繕いましょう」信徒たちが群れてきて、米を炊いでくれたり、門を起してくれたり、思いのほかに、この損害はたちまち直されそうに見える。

下から揃えて送る茅を受け取って、屋根のうえでは、蓮生と綽空と、四、五人の者が、せっせと、屋根の繕いをしていた。梯子の途中にも一人いて、それを取り次ぐ。

綽空や蓮生は、もとより馴れない仕事であったが、弟子僧のうちには、自分で人手を借らずに一庵を建てたというような経験のある者もいて、屋根は巧みに葺かれていく。

押しぶちを打ったり、茅の先を切ったり、綽空も働いていた。そのうちに、温かい握り飯も下からくる。食べ終るとまたすぐに作業にかかる。

誰の口からともなく、念仏の声がながれ初めた。屋根のうえにも門を起す群れにも、家の中に働いている者からも、念仏が洩れて、ひとつの明るい唱和となった。

庭先に、巨きな栂の木が泥水の中に倒れていた。他の樹も、あらかたは、根を剥きだしているのである。――見ると、そこに一人の体の巨きな僧が、毛脛をだし、袖をたくしあげて、まるで土工のように真っ黒になって働いている。