Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
六
そうして、てめえは世間を甘くごまかしているのだ。どうだ、恐れ入ったろうが」止刀を刺したもののように四郎が言葉の結びを付けると、綽空はそれに対して、一言のいいわけをするのでもなく、
「いかにも、お汝らのいうとおりな事実はある。しかし、それは貧燈の一僧をあわれむお方の布施であるほかに何ものでもない」
「女と男の間のこと、何といおうが、俺たちは合点せぬ。それとも、俺たちのいい分に不服があるか」
「ない」
「ふん……さすがに返す言葉がねえわ」と、あざ笑って、
「しからば、月輸殿へ、手紙を書け。この男に応分の喜捨を頼むと。――話のすじはこっちでする」
「月輪殿に、何の科があろう、みな綽空のいたらぬことによる。綽空を責めよ、綽空の法衣なりと剥げ」
「ばかなっ、そんな破れ衣がいくらの飲み代になると思うか。――もうよし、くどい問答は切りあげて、また出直そう」もっと粘るかと思いのほか、四郎は手下を連れて、あっさりと引揚げてしまった。
しかし、それから四、五日後のこと。
どこへ行って戻られたのか、九条の月輪殿の門前に、一輛の輦がついて、その中から主の月輪禅閤が降りた姿を見とどけると、突然、物蔭から精悍な眼を光らせて走って来た天城四郎が今しも邸内に入ろうとする禅閤の法衣の袂をとらえて、