Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

十三

「いや何、私の取越し苦労です。――というわけは、お従弟の鞍馬の遮那王どの、とうとう、山を下りて、関東へと、身をかくしてしまわれたということです」

「えっ……遮那王殿が」

「油断をしていたため、だしぬかれたと、平家の人たちは、地団駄をふんでおります。そうでしょう、謀叛気がなければ逃げるはずはありません。忽然と、あの稚子が、姿をかくしたのは、まだ、少年ではありますが、明らかに源家の挑戦と見られる」

「でも、まだ十六歳の小冠者が、どうして、逃げおおせましょう。……傷ましいことでございます」

彼女は、ふと、月にかかる雲を見た。ひそかに心のうちで祷っていた従弟の失踪に、また幾人の血につながる者たちが哭くのではないかと戦慄した。

そして、気がつくと、自分の膝に戯れていた十八公麿が、いつのまにか、月の光の中を、他愛なく這いまわって、縁へ出ていた。

十三

「あぶない」と、有範は、彼女が起つまえに立って、十八公麿を抱きとってきた。そして、自分の膝へのせて、

「近ごろは、もう、眼が離せぬわい」と、わらった。宗業や、範綱は、こもごもに、十八公麿を、あやしながら、

「今のうちに眼の離せぬのはまだよいが、やがて、遮那王のように成人してからが、子をもつ親は一苦労じゃ」