Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

七

「さ……」彼女は考えて、

「やはりただ、なむあみだ仏――と、そう仰っしゃればようござんす」

「それだけでよいのか」

「ええ」

「たったそれだけで、おれが今日までやったいろんな悪いことが、みんな、お詫びになるだろうか」

「先の願いにもなりまする」

「では……」ふたりの掌がいっしょに揃って、合掌した。

燦として、外陣内陣の仏燈が、いちどに、光を改めた。

「なむあみだ仏――」

「なむあみだ仏――」

「おお、おいいなされた」お吉のほほ笑みは、さながら、菩薩の笑みに似ていた。平次郎は、やめなかった。

「なむあみだ仏、なむあみだ仏――」ぼろぼろと涙がやまない。

「もう、ようござんす、ここは、家ではございませぬから」心から、笑って、夫婦は急に、親鸞のうしろへ退がった。

城主も、侍たちも、二人をながめている間、平次郎の過去の罪を考えている者はなかった。ただ美しいものを見るように見惚れていたのである。藤木権之助がすすんで、

「追ってお上よりも、何かのお沙汰があろうという仰せであるぞ。ようお礼を」と、二人のそばへ来てささやいた。

平次郎は、あわてて、武士たちの居ならんでいるほうへ頭を下げた。