Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
柳と菩提樹
一
――びっしょりと冷たい汗の中に身は硬ばって眠っている。
死んだ児の泣き声――亡妻のうらめしげな顔――火の車、地獄、鬼、赤い火、青い火。
怖ろしい幻覚ばかりが、眼がさめても、瞼の前を往来している。がたがたと骨ぶしがふるえる。夜の明けるのが、刻々と、待ちどおしい。
「おッ」ふと寝床から顔を上げると、窓の破れ戸の隙間が赤く見えた。日の出だ、と彼は救われたように飛び起きた。そしてガラリと戸を開けてみたのである。
「――あっ」だが、空はまだ真っ暗だった。そして彼方の原を、十二、三名の僧形の人影が、おのおの、真っ赤な焔をかざして――それはもちろん松明であるが――粛々と無言を守って通って行くのが眼に映った。
「な、なんだろう」行列の先には、白木の箱を担ってゆく者だの、きらきらとかがやく仏具や幟をささげて行く者もあった。
「……そうだ。わかった。すっかり忘れていたが、今日は柳島の御堂の建立が成就したので、その入仏供養がある日だった」――まアよかったと安心したように、平次郎は戸を閉めたが、すぐ次の不安に襲われて、そわそわしだした。
「待てよ……お吉のやつの死骸を……あのまま捨てておいたが、今日は入仏の供養に、朝早くからたくさんな人が集まる。