Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
三
山攻めとは、怖れながら、間近の敵を詐る詭計にござりまする」
「法皇は、それを、ご存じか」
「俊寛法師の鹿ヶ谷山荘にも、ひそかに、行幸ましまして、このたびの盟約には、ひとしお、お力を入れているように承りまする」
清盛は、入道頭を、ついと横へ向けた。そして眼下の蔵人はもうその眼の隅にもないように、侍部屋の廊へ向って、
「筑後っ。筑後やあるっ」と、呶鳴った。
その声に威圧されて、蔵人は、白洲に居たたまれなくなった。思わず腰をうかして、挨拶もせずに、こそこそと中門の方へ走って消えようとすると、清盛が手の扇子を上げて、背後から叱咤した。
「しゃつ! 捕えて置けっ」
三
侍たちが、跳びかかって、彼のきき腕をねじ上げると、
「あっ、それがしに、なんのお咎めをっ」蔵人は、もがいた。
清盛は、答えもしない。筑後守貞能に向って、何事かいいつけていた。貞能が去ると、左馬頭行盛が呼ばれ、行盛があわただしく廊を駈けてゆくころには、もう右大将宗盛や、中将重衡などが、庭や、侍部屋に姿をあらわして、何事かさけんでいた。
一瞬のまに、西八条の邸は、兵の殺気にみちていた。甲冑、弓箭を、身によろって、またたく間に、兵に、兵の数が加わって、殖えてゆく。