Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
二
二
ばたばたと、廊下を走ってきて、
「性善坊」範宴が、部屋をのぞいた。
「はい」
「お師さまのおゆるしが出た。明日は、早う立つぞ。脚絆や、笠の支度をしてたも」
「どこへ、お立ちでございますな」
「そなた、知らぬのか。お師さまは叡山の座主におなりなされたのではないか」
「それは、存じていますが」
「だから、わしも、叡山へ登って、苦行と学問をするのだ」
「ははは」
「なにを笑う?」
「お得度をうけたことでも、お師の僧正さまは、天台の宗規を破ったとか、横暴だとか、世間からも中務省の役人からも、非難されているのですから、とても、叡山などへ、範宴さまを、お連れくださるわけはありません」
「だって、ゆるすと仰っしゃった。仏につかえる師の君が、嘘を仰っしゃるはずはない」
「でも、だめでございます。まだ、九歳のお弟子に、登岳をおゆるしになるはずがあるものですか」性善坊は、ほんとにしないのである。山の苦行にたえられるはずもなし、山の掟というものは、町の寺院とはちがって、峻厳にして犯すべからざるものであるから、それを破っては、座主として、一山の示しもつかないというのである。
「そうかしら?」